あまりにも軽率だったかしら

ただ お別れの前に何か言いたくって
(お礼言う気は更々なかったけれど)

気付いたら勝手に足が動いてた

いつものようにケヤキ並木の一本道を通過
息切らして 馬鹿みたいにあんたの家に急いだ


何も考えずに玄関のチャイム押したら
待ち受けていたようにあんたは顔を出した

ほんとは鼻で笑ってやるつもりだった


でも 言葉が出てこない
こんなときにいつもドジ踏む私
どうして私は強がってんだろ

気を使って そっちから話題出しなさいよ 馬鹿

しょうがないから私から話してやった



『私、引っ越すの。もう帰ってこないし逢えないと思うから、さよなら。…それから、』



そこから先は話せなかった

耐え切れない沈黙
気まずかった?
言いたいことが言えない

この状況から抜け出したい



『ねぇ、やっぱりやめた』



最初からお礼言うべきだった よね?

もう一度言うよ
本当は寂しいんだ 逢えなくなってしまうなんて
だから どうしても逢っておきたかった
いきなり ごめんね
どうしても伝えたくって


それからね、




(こんどこそ もういちどやり直せるはず)


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